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東北大学学生自治会委員長 石田真弓くんアピール(2011年3月16日)

東北大学学生自治会のの石田真弓くんからアピールがだされたので、紹介します。パソコンでご覧の方は、以下のアドレスからpdfファイルをダウンロードできます。
http://dl.dropbox.com/u/20014389/tohokudai20110316.pdf
また、東北大学学生自治会のブログのアドレスをリンクしています。アドレスは、以下の通り。
http://blogs.yahoo.co.jp/tohoku_usc


石田真弓(東北大学学生自治会委員長)のアピール

被災地で今日、明日、どうやって生きていくのかを考えている仲間と、私たちに心を寄せてくれている全ての皆さん!
私の率直な実感として、原発も津波も輸送のマヒも一切が人災であり、菅政権を打倒しない限り遅々として解決に向かいません! 首都・東京で数千・数万のデモを爆発させることこそ、私たちが生き抜くための最大の行動方針です!
それと一体で私たちは一人でも多くの生命を守り抜くために、独自の救援運動を形成しなければなりません! 3・17緊急行動―3・20渋谷デモに大結集しましょう! 私はそのために昨日、東京に入りました。
3・20まで闘い抜いた後、皆さんの思いを引き受けて、断固、仙台に戻るつもりです。共に闘いましょう!

○地震直後の状況

地震が起きた時間は、後期入試の前日の昼間で、学生自治会の仲間や私が住む日就寮の仲間はみんなキャンパスにいて、自分は数名の日就寮生と正門周辺で受験生や保護者に入寮パンフレットを配布していました。
午後2時半頃、地震発生。数日前に中規模の地震があったこともあって、最初は「また地震か」というような感じだったのですが、揺れは収まっていくどころかどんどんと強くなり、立っていることもままならないような人もいる。キャンパスの研究棟の一つが白い砂埃を立てて目の前で崩れ、建物の中にいた300人ほどが屋外に脱出してきました。後から聞いた話では研究棟の方もひどかったようです。薬品などが散乱したり、建物が割れたり、立ち入り禁止区域がいくつもできているようです。
自分は鳥取県西部地震(M7.3・2000年)や芸予地震(M6.7・2001年)を経験していたこともあり、かなり大きい地震が来たということは認識していましたが、当初はそれほど大したことが起きたわけではないと思っていました。
しかし、時間が経つにつれて、14日の夜までは基本的にはラジオと数ページの新聞(一日目は河北新報のみ、二日目は日経新聞が復活)しか情報源がないという状況でしたが、状況が把握できてきたという状況です。
寮には懐中電灯やランタン、ろうそくなどを持っていたため、若干は心細さが緩和されましたが、暗い部屋の中で「福島原発で爆発的事象が発生」「仙台市若林区の荒浜、仙台港に200~300の遺体が打ち上げられていることが確認」「南三陸町は壊滅、1万人と連絡がつかず」「気仙沼市で大規模火災」「鹿落ち坂(※寮からの登校ルート)で土砂崩れ、数名が生き埋めに」など、ラジオから流れてくる情報や、ワンセグ携帯の小さい画面に映し出される光景はひどいもので、集会室に集まった寮生はうなるばかり。そして断続的に続く地震の恐怖。数名の寮生は精神的に不安定になって苛立っていました。

○寮生の団結の力で生き抜いています

その中で日就寮では委員会を中心軸に団結を固め、「隠匿物資解放」とか言って笑いながら、自分の持っていた食料を全て拠出し、積極的に買い出しや水・燃料の集中・備蓄を行なっています。被災地の中でもなんとかちゃんとした生活を送れているのではないかと思います。寮には寮生ではない学生や帰れなくなった受験生親子などが集まって来たりもしています。団結の力、偉大なり!
他方で大学当局の対応は、全くの無力です。大学当局は大学施設を三ヶ所避難所として開放していますが、もともと避難場所に指定していなかったことから、食糧などの備蓄などは基本的にない。当局の利益のために全国から学生を集めておいて責任を取る能力が一切ないのです。遠方から来た受験生や、大学生協にアパートなどを捜しに来た新入生が路頭に放り出されています。寮に対しても、事務の寮担当者が深夜に状況確認に来たり、施設部が建物の破損状況を確認しに来る程度で物資などの支援はありません。
いざという時に責任が取れるのは結局は私たちだということです。

○東北の労働者・学生の思い

いま寮生が最も心配していることは、やはり原発問題です。このままメルトダウンしていけば、重大な被害を受けることは間違いありません。すでに周辺住民や原発労働者が被曝させられていますが、放射性物質が飛散すれば、外出もできず水も汚染されることが予想され、後述の食糧問題との関連でも、いくら備蓄があっても不安がぬぐえないという状況です。自分は広島の出身で小さい頃から反核の立場を身に付けて成長してきたわけですが、まさか、こういう形で核の恐怖と向き合うことになるとは思ってもいませんでした。
そして食糧問題です。政府が「救援部隊のために」と、高速道路を封鎖していますが、政府からの配給が来ているという情報は全く入ってきていません。入ってくる情報は「備蓄・在庫切れ」ばかりです。菅がやっていることは、東北地方を隔離し、切り捨てることであって、救援でもなんでもない。
今回、被害の最大の要因になった津波も然りです。必ず起こると言われていた宮城県・三陸沖地震に、皆無とも言える災害対策。自分が初めに述べた地震に対しての体感はそれほど間違っておらず、市街地での被害はそれほど甚大なものではありません。また津波の被害を受けた地域の写真や映像を見れば明らかですが、小学校などのしっかりとした構造になっている建造物はそのまま残っています。また新聞報道によれば、地震が発生してから堤防を閉めに行き避難した自治体労働者もいるとのことで(実際にはその労働者の津波にのみ込まれるのですが)、しっかりとした堤防が建設されていれば、今回の数万人とも言われる犠牲者は生まれなかったということです。
今回の地震は人災による所が圧倒的に多いということが自分の実感です。「挙国一致で対処する時だ」などと言って、政治家たちが責任から逃れようとしているどころか、臨時増税などこれまでやろうとしていた政策を力技で通そうとしている今の状況は怒りに堪えません!

○全国から力を貸して下さい! ともに闘おう!

最後に、私の決意を表明してまとめたいと思います。
こちらに来る際に、寮生にも話したことですが、私の立場としては身内だけが生き残れば良いということではありません。我々は今回の大震災を全人民的な、階級的な立場から捉えて立ち向かわなければなりません。
我々のなすべきことは今回の大震災中から、菅政権をたおし、社会をまさにエジプトのように変えることです。3・20で声をあげ、大結集した力で震災への救援運動に全力を傾注するということだろうと思います。
我々は観念の世界で「菅政権打倒」と言っているわけではありません。それは労働者が権力を取っていれば今回のような大惨事にはならなかったという立場です。今回の大震災が人災なのだ、新自由主義と大恐慌の結果だという時代認識は、今回の件が人間の力で回避することができる事象であり、その解決もまた人間の力で可能なのだということです。そして、一人でも多くの労働者人民の命を救いたいということは私たちの率直な思いでもあります。私たちの力はいまだ現状に比して圧倒的に不足していますが、この闘いの中からその現実を突破していく運動の爆発を勝ち取りましょう! 政治能力だけではなく、行政力も菅政権を上回ってやるくらいの気概で奮闘しましょう!
by doro-nishi | 2011-03-16 19:04 | ビラ | Trackback | Comments(0)