2012年 02月 19日
2・19動労西日本春闘第一波闘争。岡山駅中央改札に向けてデモ。
正午より、JR岡山駅東口ビックカメラ前において、「動労西日本山田副委員長の解雇撤回!」「駅業務の外注化阻止・非正規職撤廃!」を掲げ街頭宣伝を行い、山田和広副委員長を先頭に岡山の仲間とともに、JR岡山駅中央改札口までデモ行進した。
JR中央改札口は、山田副委員長の職場である。JRの管理職の弾圧体制を粉砕して、山田副委員長が「解雇撤回!」「契約社員制度廃止!」「駅業務外注化阻止!」「職場に戻って闘うぞ!」とシュプレヒコールの声をあげた!
デモ行進の後、岡山市内で「2・19岡山春闘集会」を行った。
集会冒頭、動労西日本の大江照巳委員長が2012春闘の報告を行った。
基調報告は、山田副委員長が提起し、各職場からの決意表明が行われた。
基調報告は、以下の通り。
パソコンでご覧の方は、以下のアドレスから、ダウンロードできます。
http://dl.dropbox.com/u/20014389/20120219kityo.pdf
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2012年2・19岡山春闘集会
基調報告
[1] 情勢と国鉄全国運動
(1)国鉄闘争全国運動が本格的運動体として登場することの死活性と必然性
①資本主義の終わりの始まり
貿易赤字で基幹産業が大幅赤字へと転落している。国債暴落と支配者・国家の危機と99%の絶対的貧困化が激しく進行している。2012年版経労委報告で、「今や労使が解決すべき最大の課題はいかに企業を存続させるかだ」ということが言われている。
野田政権は日本帝国主義の生き残りをかけて、対中「空海戦闘」戦略・トモダチ作戦・イラン制裁、沖縄基地強化拡大、TPPを推進している。そして、本日2月19日は南スーダンへ自衛隊PKO派兵が強行されている。戦争への道へと突き進もうとしている。
②現在進行中の4・9反動
大増税、「復興」攻撃、民営化・外注化・非正規職化攻撃、賃金制度解体=定期昇給制度解体。国労本部の見るも無残な腐敗と、JR総連を通した職場支配の崩壊。国鉄闘争全体をなかったものにする「総仕上げ」とも言うべき攻撃が相次いでいる。
具体的には、尼崎事故に対するJR西日本社長無罪判決(1月11日)、動労千葉の運転士登用差別事件に対する最高裁判決(2月23日)。JR東日本は、「復興」攻撃の一環として、常磐線の久ノ浜(ひさのはま)駅と末続(すえつぎ)駅の間にあるトンネルで、トンネル火災事故対応訓練を行った。わざわざ放射能に汚染された地域のトンネルに、100人もの労働者を動員して行ったのだ。
また、大阪市長の橋下は教育基本条例で、君が代斉唱で不起立を3回した労働者は分限免職=解雇する、3年連続定員割れの大阪府立高校は統廃合する、教育委員会制度を解体するとしている。橋下は大阪市職員に対し、労使関係アンケートを実施した。これは、労働組合破壊と不当処分・選別再雇用のために行われた攻撃である。
世界でも、ILWUローカル21やフィリピン航空地上職労組、韓進重工(スービック造船)などに対し、日本と同じように外注化・非正規職化の攻撃がかけられている。
(2)国鉄全国運動をどういう運動として作り出していくか
①国鉄分割民営化を絶対にあいまいにせず、その最深の決着が正規職労働者の外注化阻止決戦にあることが突き出されている。この点を真正面から見据えて自らの職場からの実践をもって、正規・非正規の闘いの一体化を勝ち取ろう。
②大量首切り攻撃に抗し、絶対反対で断じて引かない闘い、連合労働運動なのか階級的労働運動なのかを自らに問い、オーソドックスな「当たり前」の闘いが職場に拡大している。この道を行こうということ。そして、新自由主義と対決する政治勢力、「本格的」な運動体として飛躍していく。
③何よりも、4月1日までの2か月決戦であることを見据え、検修外注化攻撃の全面的な暴露をもって、JR職場を筆頭に全国の職場に外注化絶対反対の声をみなぎらせよう。
④職場の仲間に、国鉄決戦について確信をもって語ろう。拠点職場を設定し、動労千葉物販・国労原告団物販を持ち込もう。
[2] 4・1外注化阻止に向けた動労千葉の闘い
(1)野田政権の「原発事故収束宣言」にこの国の本質を見た
①何が収束なのか。10万人が故郷に帰れない。今も膨大な放射能を出し続け、原発建屋の中にも入れない。福島の子どもたちにはすでに症状が出始めている。もう我慢の限界にきている。「除染をして帰れ」と、国民をじわじわ殺しながら生き延びようとする政府や資本家たち。
原発にむらがって利益を得てきた「原子力村」。これに立ち向かわない労働組合は労働組合じゃない。忘れてはならないのは、原子力村には労働組合の幹部たちもかんでいること。
②最大の問題は、最も破たんしてるのは日本とアメリカだということ。怖くてだれも言えない。すべてが崩れ落ちるから。そういう大きな転換点に私たちは立っている。そういう中で起こったのが、ヨーロッパのゼネストやアメリカのウォール街占拠運動、日本の反原発の闘いだ。中国でも暴動が爆発し、モスクワでも10数万人が昨年末デモに決起している。
③この怒りの根底にあるのは新自由主義。それは、ワーキングプア・格差・貧困、もう生きていけない現実を生み出した。日本の労働者の4割が非正規職だ。東日本大震災と福島第1原発事故以前から、青年は未来を奪われていたのだ。
(2)あらゆる業務の外注化をねらうJR資本
①今、駅で働く青年のほとんどが、5年で使い捨ての契約社員だ。JR東日本では、3月末に200人以上を解雇しようとしている。人間を人間としてあつかわず、本人や家族の未来を奪っていく。JRは派遣会社を作り、解雇した労働者を派遣会社で受け入れる。あたかも救済するかのような言い方をして、より低賃金で自らの会社に派遣して暴利をむさぼる。
②私たちがやりたいことは、闘う労働組合の復権。階級的な闘う労働組合をもう1回、この社会に再建する。それができれば時代は動く。それだけ、怒りの声や変革への思いを何百万の労働者が持っている。
③国鉄分割民営化からすべてが始まった。なぜ1千数百万人の労働者が非正規職に突き落とされたのか。国鉄労働者がちゃんと闘っていれば、こんな現実が多くの労働者に強制されることはなかった。動労千葉は、40人も解雇者を出しながらも闘った。だけど全体としては立ち向かえなかった。だから、国鉄分割民営化の問題をあいまいにしてはならない。
④国鉄分割民営化は、20万人の国鉄労働者を職場から放り出し、200人を自殺に追い込んだだけでは終わらなかった。民営化の次は、あらゆる業務の外注化だった。2,000年以降、保線・電力・信号通信・建築土木・車掌業務・駅など、ほとんどの仕事が外注化された。残ったのは、検修業務(車両のメンテナンス部門)と車両基地構内の運転業務だった。10年間外注化をとめてきたのは、JR東日本千葉支社管内だけ。
⑤JR東日本がしびれを切らし、いよいよ踏み込んできたのが、昨年の京葉車両センターの外注化だった。しかしこの10年間で、国労・東労組・鉄産労の組合員も含めて職場の労働者全員が外注化に反対した。JR東日本が外注要員として動員しようとした労働者の全員が拒否した。そしたらJR東日本は、運転ができる管理職を見つけ出してきた。それで1日勤の外注化を修正提案してきた。こんな攻撃のどこに道理があるのか。
今年4月に検修職場の全面外注化が画策されている。全面外注化になった時点で、検修職場の7割に当たる1,200人が強制出向になる。人間ごと下請け会社へ持って行く。動労千葉は、何があってもこれと闘う。
⑥膨大な労働者が非正規職に突き落とされたのは、労働法規が規制緩和されたから。それに加え、職場でのひとつひとつの攻防に労働組合が闘えなかった結果、労働者がここまで突き落とされたのだ。だから、ここでとめることが必要だ。とめることができるのを示すことが重要。そのことを抜きに労働組合の復権を語っても空論にすぎない。
(3)労働組合の原則を守り、組織拡大に挑戦する
①闘いの焦点は、その渦中で組織拡大を実現すること。この10年間動労千葉が外注化をとめることのできた最大の理由は、闘いのたびに御用組合から動労千葉へ組合員が加入する状況を作ったからだ。
②戦後、日本の労働者は誇りと命をかけて闘ってきた。だけどその闘いは、現場の怒りの声や思いが何度も裏切られ続けた。あるいは原則を守った左派が少数派に転落し、影響力もなくなって終わる。そういう歴史の繰り返しだった。
③原則を守った労働組合が団結を維持し、組織を拡大し、社会的影響力を大きくしていく。動労千葉はそれをやりたい。そのときに、闘う労働組合を作り直す展望も生まれてくる。労働組合は、労働者一人一人が持っている力を団結させることができれば、もっともっと大きな力を持てる。社会を動かす力を持つ存在である。労働者が非正規雇用に突き落とされる現実を、実際にとめられるんだということを示そうじゃないか。
[3] 岡山駅の外注化阻止・非正規職撤廃を軸に拠点建設を
(1)動労西日本と団結し駅外注化阻止・非正規職撤廃へ!
契約社員制度=非正規職制度は、不当労働行為の温床(隠れみの)であり、青年の人生と夢を奪うものである。鉄道業務全体を完全に外注化するため、JR各社はこぞって契約社員制度を導入している。
JR西日本は、駅業務全体をメンテックや西日本交通サービスといった会社に丸投げし外注化した。JR資本は、駅を無人化することを最終目標としている。それは、JR東海が昨年11月21日に出したリニア新幹線計画で、「中間駅には営業(改札とみどりの窓口)専任要員は配置しない」と明記したことからも明らかである。駅の無人化、その前段階としてある駅の外注化や契約社員制度は絶対に廃止させなければならない。
安全問題を何も考えず、ただひたすら利益追求にひた走り、利用者や現場労働者を殺し続けるJR資本は、労働者の団結で打倒しなければならない。
(2)国鉄全国運動を軸に拠点建設を!
動労千葉に続く拠点を、それぞれの各職場に建設しよう! 武器となるのは、国鉄全国運動と動労千葉物販です。「動労千葉を支援する会」をつくり、連合労働運動にとってかわる階級的労働運動の指導部をつくりだそう。
労働者と資本家は非和解だ。団結を軸に、職場闘争に立ち上がろう! 2012春闘を反原発・反失業春闘として、3・11福島現地闘争へ立とう!